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会員紹介~会員の横顔~

古河林業株式会社(木質バイオマス利用促進部会 副部会長)
古河林業(株)(以下、古河林業)は、古河機械金属㈱の山林部として明治18年(1885年)より坑木や薪、炭用伐採後の山林に植林事業を始め、昭和4年に独立しました。現在は秋田、宮城、三重の3県に合計6,460haの山林を所有し、主にヒノキ、スギ、マツなどの素材生産(丸太の生産)をしています。
山林経営とともに、昭和48年より住宅建築事業を開始し、現在は首都圏、三重県と宮城県にて年間約300棟の国産材を構造材にした木造注文住宅を施工しています。
特に、大館北秋田地区においては4,300haの自社山林管理とプレカット(木材加工)工場を稼働させ、精密に加工した材料を自社受注住宅物件以外にも地元工務店へ提供し、好評を得ているようです。林業と住宅業を併せ持つ企業として、「木を植え→育て→伐採・活用し→再び植える」という協議会の目標とする『循環の輪』を実践している会社です。
今回、古河林業阿仁林業所の所長・福森卓さんにお話を伺いました。
古河林業 阿仁林業所長 福森卓さん
―協議会の中で、どのような役割を担っていますか?
 
福森さん 木質バイオマス利用促進部会の副部会長をしています。会社としては丸太を供給する立場で、木質チップは作っていないのですが、木質バイオマスの需要供給について一緒に考えていくという立場で関われたらと思って参加してきました。
 
―丸太の供給側として、木質バイオマス利用の現状をどのように見ていますか?
 
福森さん 木質チップは昔から、紙の材料として製紙会社で使われていました。燃料として多く使われるようになったのは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」が制定されてからで、秋田では、2016年に向浜の木質バイオマス発電所が出来てから本格的に木質チップの買い取りが始まりました。
 
木材を、材質の良いものから順にA材、B材、C材、D材と呼びますが、製材や合板に使うことができないD材を捨てずに木質チップとして活用しよう、というのが現在の取り組みです。山からA材やB材を伐り出す時に、D材も出てくるのでそれを木質チップにします。コロナの影響で丸太の供給が減っている今は、木質チップの生産も減っています。今後、木材の需要がどのくらい復活するかが、気になるところです。
(写真提供:古河林業(株))
―木質バイオマスの利用促進について、どのような部分が課題ですか?
 
福森さん 一つは、大館北秋田地域内で需要と供給のバランスが取れていないところです。供給に関しては、今はコロナの影響で減っていますが、普段は国有林から一定量の丸太供給が見込めています。でも、まだまだ木質チップ自体の需要が少ないため、いくら作っても売れないという状況です。木質チップの需要がもっと増えて、需要と供給が見える化できるといいと思います。
 
二つ目の課題は、木質チップ製造業者の負担の大きさです。木質チップ用に仕入れた木材は、燃料とするため約1年間乾燥させなければならず、その間在庫を持ち続けなければなりません。丸太も木質チップも重量で売買しているため、乾燥度合いにより価格も安くなってしまいます。安価なのに遠くまで運ぶと、利益がほとんど運搬費用に消えてしまうので、地元で伐採、加工した木質チップを、地元で消費するのが理想です。
(写真提供:古河林業(株))
(写真提供:古河林業(株))
―今後、木質バイオマスの利用をどのように促進していったら良いと思いますか?
 
福森さん 公共施設で、木質バイオマス燃料のボイラーを積極的に導入してもらえたらと思います。木質バイオマスのボイラーは、重油を燃料にする従来のボイラーよりも環境に優しいのですが、重油よりも燃料の価格が上がってしまうことと、12ヶ月のうち1ヶ月は点検のためボイラーを休ませなければならないという課題があります。民間で木質バイオマスボイラーを導入するのはまだまだ難しいので、自治体が率先して導入し、リーダーシップをとって木質バイオマス燃料を利用していってもらえたらと思います。
 
―燃料のほかに利用方法はありますか?
 
福森さん 大館市にある会社では、木を粉にして廃プラスチックと混ぜてウッドデッキを作っている会社もあります。このような、木質バイオマスの幅広い活用も必要でしょうね。
―川上の業者として、川下の需要者側へ伝えたいことがあれば、お願いします。
 
福森さん 国産材を使うことにこだわって欲しいと思います。当社の住宅部は、「日本の家には日本の木が最適」をモットーに国産材100%で家づくりを行なっています。
また、木質バイオマスボイラーの導入は個人では難しいですが、木質ペレットストーブなどは比較的手軽に取り入れられるのではないかと思います。木を生活に取り入れる人が増えて、木材が循環するような環境ができればいいですね。木材が生産される森、山や川といった自然が好きな人が増えたら、嬉しいです。
 
―ありがとうございました!
この記事を書いたライター 島田 真紀子(mamaplan所属)https://mamaplanodate.net/
有限会社無明舎出版勤務を経て、フリーライターとして雑誌やWEBの記事を執筆。
秋田県内を中心に、観光・食・子育て・スポーツ・話題のスポットなどについて発信しています。
 
―取材を終えて
名古屋生まれ横浜育ちの福森さんは、大学卒業後、古河林業に就職して初めて秋田に足を踏み入れたそうです。雪の多さや秋田弁にびっくりしたけれど、もともと自然が大好きで、四季を感じながら山の中で働くことを楽しんでいるとのこと。古河林業の新入社員も、東京や千葉など都会から入社する人が増えてきています。循環の輪が回っていくことは、大館北秋田地域の豊かな山林をこれからも守っていくことにつながるのだなと感じました。
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