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会議・イベント

令和2年度

R2.9.15_令和2年度「ニホンジカ対策」現地検討会

9月15日に米代東部森林管理署・米代東部森林管理署上小阿仁支署・米代西部森林管理署の主催により「ニホンジカ対策」に係る現地検討会が開催されました。
 全国的にニホンジカによる森林被害が深刻化する中、秋田県は幸いにして、目撃情報はあるものの森林被害についてはほとんど確認されていません。
 しかしながら、今後、更なるニホンジカの個体数の増加が懸念され、森林被害や農作物への被害も予想されることから、被害防止対策は喫緊の問題として対策に関する検討を進める必要があります。
 今回の現地検討会ではニホンジカの被害対策の知識、技術を学ぶ機会として開催され、講師の岩手南部森林管理署遠野支署の野木支署長及び秋田県林業研究研修センター環境経営部の長岐部長より事例や対策について紹介を受けました。
岩手南部森林管理署遠野支署 野木支署長
【被害地の対策等について】:岩手南部森林管理署遠野支署 野木支署長
・植生保護柵の設置
設置に多くの労力を要する上に春と秋にはネットの上げ・下げが必要。設置や管理に際して高山植物を踏みつけてしまう危険もある。広い範囲に設置するためには隣接する地域で相互応援が必要。
・シカの捕獲
ツキノワグマの生息密度が高い地域では錯誤捕獲のリスクがある。錯誤捕獲対策として高知県の三原村森林組合製の非バネ式くくりワナ「いのしか御用」は効果が認められた。
・捕獲支援
林道除雪や地方自治体へのワナの貸与を行っている。林道除雪はもともと捕獲頭数が多い箇所で行っていることもあるが、実施した区域での捕獲頭数が多いことから効果が高いと認められる。
秋田県林業研究研修センター環境経営部 長岐部長
【シカの動態について】:秋田県林業研究研修センター環境経営部 長岐部長
・秋田県内においても平成21年以降目撃が増加し、平成28年以降は年間80頭前後が目撃されるなど、県内で定着・繁殖が進む恐れがある。再造林施策が阻害される等の弊害が予想されることから被害を未然に防ぐための捕獲が必要だが、目撃箇所近辺にセンサーカメラを設置しても約8カ月でシカの撮影が1回に留まるなど、個体数の低密度下では捕獲が困難なのが現状。平成30年以降侵入経路や越冬地の探索を行っており、今後は候補が限られることや雪でシカの行動が抑制されることから捕獲適地となる越冬地での捕獲を計画している。
現地では、シカヌタ場の見学、越冬地の説明が行われました。
 
高い繁殖力を持つシカは爆発的に個体数を増やし被害をもたらす恐れがあり、現段階での被害のあるなしに関わらず喫緊の課題であると言えます。当協議会においてもシカの生態等への情報にアンテナを張り、未然の対策に繋げていくことが重要であると感じました。
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