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会員紹介

二ツ井パネル株式会社
二ツ井パネル株式会社(以下、二ツ井パネル)は、建築用・化粧ばり用の集成材を製造・販売する会社です。「お客様に支持される商品づくり」をモットーに、主に東日本を中心に販売を行っており、今年創業60周年を迎えます。2017年には、地域経済をリードする中核企業として経済産業省の「地域未来牽引企業」に認定されました。

大館北秋田林業成長産業化モデル事業の中で、「循環の輪」の川中の活動(木材の利活用)を担う二ツ井パネルの社長・鈴木稔さんに、協議会の取り組みについてお話をうかがいました。

二ツ井パネル株式会社 代表取締役社長 鈴木 稔さん
―協議会の中で、どのような役割を担っていますか?

鈴木さん 秋田スギ・認証材利用促進部会の部会長をしています。木材加工業者を中心にしたメンバーが集まって、情報交換したり課題を共有したりすることで、事業を前に進めていこうとしています。

―話し合いの中で、どのような課題がありますか?

鈴木さん もう何十年も前からの課題なのですが、原木の安定供給ができないことです。そして、製材から加工へのサプライチェーンができていません。

原木の安定供給ができない理由としては、天然杉にあった優位性が人工杉にはなく、逆に都会から遠いため運送料がハンデとなって、全国での競争力が落ちていること。また、人口減少で住宅の需要自体が減っていることなどがあげられます。
そして、キャパシティのある製材所がないのでサプライチェーンができていません。県内全域で製材業の規模が縮小しているのが現実です。

―せっかくだから県産の秋田杉を使うことができたらいいですよね。

鈴木さん 杉は本当に難しいんですよ…。他の木と比べて乾燥するのに時間がかかるため、スケジュールを組みづらいのと、製材するのに工夫が必要です。外材に慣れている業者が扱うと、とても苦労します。
そして、大規模製材設備がないので安定供給ができません。もし仮に、補助金を利用して複数の業者が共同で設備投資をして大規模製材所を作ったとしても、山形や岩手に大きな設備を持つ先進企業があり、主要なマーケットが押さえられてしまっているので、今からスタートして対抗馬になっていくのは大変です。

若くて元気のある製材業者を中心に、ハード面を整えたいと思うのですが、それぞれに自分の商売があるからなかなか一緒にやろう!となりません。金額も大きいですしね。
―今後、どのように取り組みを進めていこうと考えていますか?

鈴木さん 素材(木)はあるし、加工力もあるけれど、競合他社に打ち勝つことができる販売力がないのが地域の現状です。だから、加工技術を高めることと、販路の開拓・拡大、商品開発に投資をしたらいいと思います。県内で加工して、県外に販売していくことが必要です。山から来る木(県産材)も、海から来る木(外材)も使って、加工して売っていくことです。

販路を拡大してお客さんがついて、受注がある状態にしてからハード整備へと進めていくことができればと思います。
―最後に、この協議会への想いを聞かせてください。

鈴木さん 若い頃は業界に同世代のライバルがたくさんいて、切磋琢磨して盛り上がっていました。やる気のある人が集まっていたし、情報交換も活発にしていました。業界の企業力が落ちてしまっている今、若い人たちにもっともっと頑張ってもらえたら…と思っています。私たち社長世代が高齢化しているので、人材も循環させて若い人が事業継承していくことが、地域の林業の発展に不可欠だと思います。皆で問題意識を共有して、情報交換をして、その中で切り口を見つけたいという気持ちで協議会をやっています。

―ありがとうございました!

この記事を書いたライター 島田 真紀子(mamaplan所属)https://mamaplanodate.net/
有限会社無明舎出版勤務を経て、フリーライターとして雑誌やWEBの記事を執筆。
秋田県内を中心に、観光・食・子育て・スポーツ・話題のスポットなどについて発信しています。

―取材を終えて
二ツ井パネルの従業員の平均年齢は39歳と、業界内ではとても若いのだそうです。若い力に期待をかける鈴木さんが、若年スタッフ定着のために工夫しているのは、「機械化できる部分は徹底的に合理化し、人間にしかできないことに集中してもらうこと」。鈴木さん世代の社長さんから若い人たちへ、しっかりノウハウを引き継いでいくことが、林業の成長にとって大事なのだと感じました。

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